僕は新しいことにチャレンジするのが非常に億劫な性格。特に仕事を始めてからは、自分の自由な時間まで、出来ないことに時間を捧げるのは嫌だなと思い、いろいろなことから距離を置いていました。
それでも何かやりたいと思うようになったのは、松浦弥太郎さんの「今日もていねいに。」という著書の毎日が「自分プロジェクト」というお話しがきっかけ。
僕もひとつだけでも、歳をとっても、どこにいても、気軽にできる趣味が欲しいと思うように。
クラシックギター、ゴルフ、陶芸。
いろいろある選択肢の中で、僕が重い腰を上げてやりたいと思ったのはデッサン。
モチーフと紙と鉛筆だけでできる気軽さに惹かれたから。サラッとメモ用紙の裏とかにセンスのある絵が描けるようになりたい。
大学生の時、ポルシェをデッサンする授業がありました。ポルシェは丸みのあるフォルムが特徴的な車。僕は絵が苦手で、流線型のように描いてしまいました。ところが、教授は僕の絵を「個性があっていいね」と褒めてくれました。
人に見せるものでなければ、上手い下手は関係なくて、丁寧に描ければそれでいい。その精神的な気楽さもデッサンに惹かれた理由です。
本心はポルシェの特徴を捉えて描きたかった。その伸び代もまたやる気にさせてくれます。
記録という観点では、絵は決して写真には勝てない。でも、絵は丁寧に描いた分、写真よりもずっと記憶に残る。
デッサンは写真を撮るとき以上に時間をかけてモチーフを観察します。
形状、陽の当たり方、材質、空気感。
後から見返すと、下手であったとしても、
描いた時の季節、風の香り、自分の心境
を思い出させてくれる。
観察するということは新たな発見を与えてくれる。モノがそのカタチをしているには必ず理由があるから。それに気づいた時の感動はデッサンの醍醐味のひとつ。
何か新しいことを始めるのは少しばかり億劫ではあるけれど、それをきっかけに連鎖的にいろいろなことに好奇心が芽生えてくる。
最近、モノをみると、
「どうやって描き出すかな」
なんて考えるように。
今は誰に教わることもなく、下記の本を参考に適当に描くことからはじめています。
上達したら、絵を載せたいところだけれど、そんな期限も決める必要のない僕の自分プロジェクト。
一緒にデッサン始めてみませんか。