マイホームを買うのは、今じゃないでしょ!

見渡せば会社の同期だけでなく後輩に、はたまた歳の離れた弟にも先を越されてしまった夢のマイホーム。

「一人前の大人として、マイホームぐらい持っておかなきゃ」的な同調圧力に屈し、大量CMに毒された大黒柱はスーモから内見を申し込んだ。

当初は一軒家も内見の対象としていたが、内見を進めていくうちに「駅近」、「高セキュリティ」、「資産価値」というメリットに惹かれ、完全にマンション党となったのであります。

そして、内見すればするほど理想は高く、妥協なんてもっての外、辿り着いたのは新築の億ション。かなり前のめりで、モデルルーム案内会へ参加した。

モデルルーム会場はビルの高層階で眺めも抜群、商談中に出てくる飲み物さえも南フランス産の炭酸水、ブルーボトルコーヒーで高級感を演出。

しかし、、、

この手の買い物は勢いが必要なのに、高揚感トリガーが全く発動しなかった。

普通のサラリーマン、これほど高額な買い物はヨボヨボになるまで長期ローンを支払うことになる。果たしてそれに見合う価値があるのか?

返済プランの話が現地味を帯びるほどに冷静になり、「利便性の高い環境ではなく、心地よい環境で穏やかに暮らすこと、それが自分の理想だ」という内なる声に気づくことが出来た。

一旦、マイホーム探しは中断、まずは今の生活を自分たちなりに楽しむことにした。

そして、支払う必要のなくなった頭金分で運用して資産を増やし、本当の理想郷を実現させたい。