「おすすめのレストランへ連れていって下さい」
仕事終わり、打ち合わせ先の事務所からの帰り、タクシーの運転手へ告げる行き先。
ー 新しいレストランを開拓したい
ー 下調べは面倒だな
ー レストランへは迷わずたどり着けるだろうか
ー お腹が空いたから、早く食べたい
これらの、ワガママを解消する魔法の言葉。
フィレンツェでは下調べなしに、フラっとレストランに入ると、ハズレなことが多々あります。ダウンタウンでは観光客相手に経営しているお店が多いのが一因。
頼りになるのが地元の方々の情報。素直にタクシー運転手のおすすめ情報に従えば間違いないハズ。国は違えど、頼りにされると嬉しいのは人の心情。運転手の皆さん、喜んで教えてくれました。
「ピザの美味しいお店へ連れて行ってください」
連れていってもらったのは、オムナ・シエッロというダウンタウンからアルノ川を渡った先にあるピッザリア。
「ダウンタウンのレストランは全部、観光客向けだわ。地元の人はあまり行かないの。川を渡った先のエリアは地元の若い人が集うとてもクールなエリアよ。」
そうジェスチャー付きで語る女性ドライバーはどこか得意げ。
ピッザリアのエントランスはどこかアメリカの西海岸を思わすようなインテリア。中に進むと天井の高い広々とした空間が広がる。ピザ釜が端に置いてあり、ピザ職人が黙々とピザを焼き続ける。
隣の席では地元の人らしき若い女性がワインとピザをひとりで食べている。運転手に尋ねなければ訪れなかったであろうピッザリア。来て正解だったなと食べる前から期待から確信へと変わる。
僕の好物であるマルゲリータとタクシー運転手がおすすめのアンチョビの効いたナポリをオーダー。
ピザが焼きあがるまで、白ワインで後輩と乾杯し、アペタイザーのチーズとトーストをつまむ。
ピザが運ばれ、頬に頬張る。焼き上がりのピザの味もさることながら、人との繋がりで紹介してもらったお店に来れたことへの充実感を噛みしめる。
ピザの耳は分厚く、最後の方は顎が筋肉痛になりそうなほど。2人だったら、ピザ1 枚がちょうどよいのかもしれない。
それにしても、隣でピザ1枚を平気な顔して平らげた若い女性には脱帽しかない。
ー 焼きたてのピザ
ー 店内の奥へ案内されるとハッとさせられる天井の高い空間
ー 地元の人に愛されているということ
次回、奥様と一緒にフィレンツェへ訪れた時には、タクシー運転手に代わって、連れていきたいピッザリア。
店舗情報
O Munaciello/オムナシエッロ
+39 055 287 198
+39 392 637 3693
firenze@munaciello.com
munaciello.com