「そうなんだけどっ!」っと食い気味で切り返してくる輩への対応法を考察。

先日、NewsPicksで堀江貴文さんと斎藤祐馬さん(デロイトトーマツベンチャーサポート社長)との対談を拝見した。

斎藤さんが堀江さんに「そうなんだけどっ!」と食い気味に反論しているのを見て、こういう人、もしくは、こういう状況ってよくあるなと思いました。

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「そうなんだけど」という言葉は「そうである+だけれども」という意味が合体した逆説の接続詞であると思う。

前半の「そうである」という「相手の意見に賛同する」という意味からすると、本来であれば、直接反論するよりも懐の深い接続詞のはずだ。

しかし、実際には、「あなたの言っていることは既に当方も理解している」という上から目線からマウントを取ってきている様なニュアンスを感じてしまうのは僕だけであろうか。

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人の数だけ、意見がある。

無駄な摩擦や水掛け論を展開するよりも、言いたい人には言わせておけばいい、原則は。

ただ、仕事でどうしても見解や方向性を見出さなければならない状況もある。

そこで、相手が食い気味に「そうなんだけどっ!」っと言ってきた場合の対応法を考察してみた。

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もう最悪なのはこちらも、「それも、そうなんだけれどもっ!」とさらに反論してしまうこと。

相手が食い気味に反論してきてる時点で、相手のプライドは高く、こちらの意見をそう易々と聞き入れる余地は相手にほぼないと言っていい。

万が一、相手がこちらの意見に従ったとしても、相手のプライドをへし折ってしまうことになり、その後の人間関係がギクシャクしてしまう。人は理屈ではなく、心で動くもの、要注意だ。

ここは一度、深呼吸して、自分だけは落ち着くこと。議論に対する物事の見方、考え方をなるべくフラットかつニュートラルに捉えるよう強く意識すること。こちらまで、拳を上げて議論に参戦してはダメだ。

その上で、相手に意見を全て吐き出させることが必要だ。相手の言動を遮ることなく、とにかく最後まで聞く。相手に議論の手札を全部出させる。

相手が議論の手札を出し惜しみしている様子であれば、相槌を軽快に打ったり、軽い質問を投げかけて、相手の意見を深掘りする。

そこで、自分自身が心から納得すれば、万々歳、平和裏に議論が終了だ。潔く、「あ〜、なるほど、それもそうですね。」っとサラりと言えばいい。こちらは拳をあげていないから、言いやすいはずだ。

相手の意見を存分に聞いたとしても、自分が納得いかない場合は、その点を素直に聞いてみること。スタンスはあくまで反論ではなく、「あなたの意見を完全に理解できていないから、教えて欲しい」といった具合だ。声のトーンはゆっくり、低く、誠実な印象を醸し出すこと。

そこからは淡々と相手の見解の抱えるデメリット、矛盾点をボソッと聞いていく。待ってましたと言わんばかりの鋭いナイフで突くのはナシだ。あくまでドアをトントンとノックするように聞くのだ。

面と向かって議論をぶつけあうのではなく、隣に座って相手の意見をブラシアップしていく感覚に近い。その過程の中で自分の意見を少しずつ織り交ぜていけばよい。そして、お互いが納得するような議論の終着点を見出す。

もしかしたら、議論となる前提がまったく噛み合わなかったり、そもそも相手が話し合いの場に立とうとしなかったりと、例外はあるかもしれない。
(その場合は相手が何故そこまで頑なになっているかの背景を聞き出す別の策へ展開。)

とは言え、大抵の場合、この方法で日本人だけでなく、海外の人とやり合ってきた。国籍、文化、世代、役職を超えた普遍的なアプローチだと思っている。

自分本位ではなく、目的を達成するために何が最適なのか中立的に考えること、時には相手の立場になってみたりして、気持ちよく議論を進め、仕事を円滑に進めていく。

結果的にお互い信頼し合える、いい人間関係が築けるといい。